停電休業時の給料(停電休業時の賃金)

停電!

でした。西遠労務協会では、昨日は丸一日。
まだ停電中の地域もあります。
ちなみに、私の自宅もです。

ほんとうに、こんなことは初めての経験です。

さて、停電のため社員を休ませた場合の給料、どうしますか?
以下にまとめてみました。

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【 台風停電による休業時の給料 】
~ 減額無し? 6割払う? 払わなくてもよい? ~

1.台風停電時の給料について
会社が従業員に休業を命じた場合、基本は下記の労働基準法第26条に従うこととなる。

~労働基準法第26条~
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。
    
   天災地変等の不可抗力による休業(仕事ができる状態でなかった場合)等は休業手当の支払いは不要だが、ネット等で情報を見たり、監督署に問い合わせたりした従業員が、「本当に仕事が何もできなかったのか」「電気が止まっていても、例えば備品整備や清掃などできたことがあるのでは」と問いかけてくる可能性がある。その場合は、「いやいや、停電で本当に何もできなかった。」とはっきり言うことができないと、やはり休業手当の支払いが必要となる。

 実務的には、
①減額や控除はせずそのまま払う(通常の出勤扱い)
②通常の欠勤控除を1日分おこなったうえで当日分は60%の休業手当※を支払う。(同時に、社員に「有休を使いたい社員は申し出て」と伝え、申し出た社員は有休扱いとする。)
  ※休業手当の計算方法は下の《休業手当の計算方法》参照
③台風の影響で仕事が何もできなかったから、その日の分の給料はない(通常の欠勤控除を1日分おこなう)。(同時に、社員に「有休を使いたい社員は申し出て」と伝え、申し出た社員は有休扱いとする)。

等が考えられるが、これまでの同様のケースを思い起こすと、②を選択する会社が多いのではと予想される。

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≪休業手当の計算方法≫
1.原則の計算方法
休業手当=平均賃金の100分の60(以上)
 
 平均賃金の計算の仕方
  算定事由発生日(休業日)以前3か月間に支払われた賃金の総額
÷その期間の総暦日数
  (通常は前3か月⇒最近3回分(3か月分)の賃金の総額÷その期間の総暦日数)
※日給・時給などの場合
 ①月額部分があればその部分は原則通り計算
 ②日給・時給部分は「前3か月間の賃金の総額÷その期間の総労働日数」
の60/100
    ①+②を平均賃金の最低保障とし、原則で計算した平均賃金と比べ多い方を使う
 
2.特殊な計算方法
① 一部休業の場合
平均賃金の60%と実労働時間分の賃金との差額を支払えばよい
 (例1)平均賃金:10,000円 その日の実労働分の賃金:7,500円の場合
      6,000円<7,500円
      ⇒ 休業手当支払い義務なし
 (例2)平均賃金:10,000円 その日の実労働分の賃金:4,000円の場合
      6,000円>4,000円 
    ⇒ 休業手当2,000円  
 ② 入社から3か月以内の社員の場合
 雇入れ後に支払われた賃金とその期間の総日数で計算する
③ 算定期間中に次の期間がある場合その日数・その期間に支払われた賃金は除外する
  ・業務上の傷病による休業
  ・産前産後の休業
  ・使用者に責任がある休業
  ・育児休業・介護休業期間
  ・試用期間

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以上、なかなかややこしい話になりますが。
決めておかないと、「さあ、給料計算!」というときになって困ってしまいます。

ご参考にしていただければ。