健康診断 “やりっぱなし” になっていませんか?
― 健診後の「医師意見聴取」と事後措置のポイント ―
毎年会社でおこなう定期健康診断。
結果の保存はできていても、「異常の所見があった方へのフォロー」まで十分にできているかという点については、会社によって差が出やすいところです。
ある労働基準監督署の資料によると、2024年の監督結果では、健診後の「医師等の意見聴取」をしていないケースが中小企業に多く見られた、とのこと。
実際に監督署調査に立ち会わせていただくと、この「医師等の意見聴取」の漏れを指摘されるケースは、実際に多く見受けられます。
■「意見聴取」の対象者は?
健康診断の結果、「要精密検査」「要経過観察」などの判定を受けた社員が対象となります。
■ 「意見聴取」とは何をすること?
医師から受ける「要精密検査」「要経過観察」などの判定とは別に、
“就業上どのような配慮が必要か”について意見を聴くことを指します。
・通常勤務で問題ないか
・労働時間の短縮が必要か
・休業が適当か
といった、働き方に関する判断を医師に確認します。
健康診断で異常所見があった場合、原則として3か月以内に実施する必要があります。
■ 精密検査を受けさせているだけでは不十分?
「精密検査を案内しているから大丈夫」と考えがちですが、それだけでは足りません。
検査結果とは別に、就業上の措置について医師の意見を聴くことが必要とされているのです。
■ 意見聴取のあとは?
医師の意見を参考に、必要に応じて勤務内容の調整や職場環境の見直しなど、事後措置を検討しま す。
就業場所の変更、深夜業の回数調整など、会社ごとに対応できる範囲から進めていきます。
■ 無理のない仕組みづくりを
健康診断実施後の措置をおこなうことは、企業のリスク管理にもつながります。
運用の流れを、一度見直しされることをお勧めします。















