コロナ対策と昼休みの時差取得

6月 8th, 2021

各企業が様々なコロナ対策を講じていますが、注意したいのが、昼休み、特に昼食時の感染対策です。
職場での昼食クラスターや昼食後の歯磨きクラスターが発生した、というニュースもありました。

密を避けるために食堂の座席の間隔を開けたり、消毒や喚起を徹底する等の対策もありますが、食堂や休憩室の混雑を避けるため、昼休みを部署ごとにずらす、という方法もあります。

しかし、昼休みの時間差取得は、実施にあたり手続きを踏む必要があるため、注意が必要です。
労働基準法では、休憩時間は労働者に一斉に与えなければならないことになっているのです。
(例えば自分の昼休みに上司が仕事をしていたら…昼休みに入りにくかったりしますよね。そういった背景もあり、休憩時間は原則一斉に取得することが決まっているのです。)
※以下の業種については、一斉休憩の規定は適用されていません。
(運輸交通業、商業、金融・広告業、映画・演劇場、通信業、保健衛生業、接客娯楽業、官公署)


では、休憩時間をずらして取得してもらうにはどうしたらよいのか。
必要なのは、労使協定の締結です。
労使協定に、①対象者の範囲、②新たな昼休みの時間、を記載します。


せっかくの感染対策が、法令違反にならないよう、必要な手続きはきちんとしておきたいですね。

キャリアアップ助成金「健康診断制度コース」のご紹介

6月 4th, 2021

多くの企業様が利用されるキャリアアップ助成金。
今回は、キャリアアップ助成金の中でも、マイナー!?と思われる「健康診断制度コース」についてご紹介させていただきます。

〇助成金の概要〇
法令上、健康診断の実施義務のない「週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の非正規社員」が受診できる健康診断制度を、「新たに」導入し、実際に非正規社員延べ4人以上に健康診断を実施することで受給できる助成金。

〇助成額〇
中小企業:38万円(生産性要件に該当する場合は48万円)
大企業:28.5万円(生産性要件に該当する場合は36万円)

〇対象となる非正規社員〇
・雇用保険に加入していること
・1週間の所定労働時間が、正社員の4/3未満であること 等

〇受給のポイント〇
・あらかじめ助成金の計画書を労働局へ提出し、認定を受けておくこと
・健康診断の費用は、全額事業主が負担すること(人間ドックの場合は半額以上)
・非正規社員に健康診断を実施する旨を就業規則へ記載すること

いい社員を採用したい、そして、いい社員に会社に定着してもらいたい。
どの企業も考えることではないでしょうか。
仕事の魅力を伝えること、そして仕事の魅力を感じながら働いてもらうことははもちろん大切ですが、会社のアピールポイントとして、非正規社員に健康診断を実施していくことも1つの手です。
法定外の健康診断制度の導入を検討される場合は、こちらの助成金をご活用ください。

過半数代表者の選出方法

5月 27th, 2021

36協定締結時や、就業規則の作成・変更時に必要となる、従業員の「過半数代表者」とのやり取り。
この過半数代表者、みなさんの会社ではどのように選出していますか?
過半数代表者の選出方法に問題がある場合、協定自体が無効となってしまうケースがあります。
例えば36協定でいえば、協定のすべてが無効となってしまうため、従業員のみなさんがおこなった残業がすべて違法となってしまう、ということにもなり得るのです。

適切におこなう必要のある過半数代表者の選出。
今回は、過半数代表者の選出方法について、ご案内させていただきます。

労働者の過半数代表者は、以下のいずれにも該当する方でなければなりません。

①管理監督者でないこと
②労使協定の締結等をおこなう者を選出することを明らかにして実施される、投票・挙手などの方法による手続きにより選出された者であること。
③使用者の意向に基づき選出された者でないこと。

つまり、
・会社がある社員を代表者に指名する
・会社が指名した社員に対し、形式的に選挙をおこなう
といった方法では、適切な方法での選出とは言えないということとなります。
なお、社員親睦会の幹事などを自動的に過半数代表者にした場合、その方は協定締結のために選出されたのではありませんので、協定は無効となってしまいます。
監督署調査時、代表者の選出方法について問われるケースも増えているところです。
きちんと対応していきたいですね!

新型コロナと傷病手当金

5月 21st, 2021

万が一社員が新型コロナに感染した場合、傷病手当金は受給できるのか?
会社として保証しなければならないのか?
新型コロナと傷病手当金に関するよくあるご質問について、厚生労働省の回答をベースに記載させていただきます。

〇社員(以下、健康保険の被保険者である社員とします)が新型コロナに感染し、仕事ができない場合は、傷病手当金は支給される?
⇒“業務以外の理由”で感染した場合は、支給対象となります。
 この場合、社員に自覚症状がない場合でも、支給対象となり得ます。

〇社員が濃厚接触者となったことで休暇を取得した場合、傷病手当金は支給される?
⇒社員本人が労務不能な状態と認められない限り、支給対象となりません。

〇社員が“仕事が原因”で新型コロナに感染した場合、傷病手当金は支給される?
⇒仕事が原因で感染した場合、傷病手当金は支給されません。
 この場合は、労災保険の給付対象となり得ます。
※調査により感染経路が特定された場合や、複数の感染者が確認された労働環境下で業務をおこなっていた場合、顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下で業務をおこなっていた場合などは、仕事が原因で感染したと判定されます。

上記のように、一定の要件を満たすことで健康保険や労災保険から保証が受けられる状態ではありますが、何より大切なのは感染しない・させないこと。
引き続き、職場の感染対策を徹底していきましょう。

顧問先様のハラスメント窓口研修をおこないました

5月 20th, 2021

昨日の午後は、西遠労務協会の研修ルームで、顧問先様向けにハラスメント窓口研修をおこなわせていただきました。

・・・

来年4月から、中小企業でも パワハラ防止対策が義務化されます。(今は中小企業は努力義務)。その中で、会社には、ハラスメント対策方針を明らかにしたり、相談に応じる体制をきちんと作ったりと、やらなくてはならないことがいろいろあります。

中でも、社員さんがハラスメントについて相談できる窓口担当者を決めたり、相談があった時にどのような手順で対応を進めていくかは、ぜひ今から決めておいていただきたい部分です。

・・・

西遠労務協会では、これまでも相談窓口研修を何回かおこなわせていただいております。

それは、社員が相談しやすい窓口があり、対応を決めておくのは、会社にとって 、義務だから、とか、努力義務だから、ということではなく、必要なことだと考えるからです。

・・・

昨日ご参加いただきました皆さんからいただいたお声です。

・対応手順の確認ができました。このようにすすめていきます。

・相談者からの話の聴き方を、もう一度整理してみます。

・相談しやすい環境をつくるということが大切だと感じました。

・相談窓口はつくってありますが、社員への周知がどのくらいできているかな、と思いました。

等々。

ご参加くださった皆様、ありがとうございました!

西遠労務協会では、またこのような研修をさせていただきたいと考えております。

職場のコロナ対策 業種・業態別マニュアルが公開されています

5月 14th, 2021

緊急事態宣言が延長され、静岡県内でも新型コロナ患者が増加しています。
「社員の家族の会社でコロナ陽性者が出たけれど、どうしたらよい?」
「もし社員が濃厚接触者になったら、どうしたらよい?」
など、様々なご質問をいただく機会も増えてきました。

もし身近なところでコロナが発生したらどうしたらよいのだろうか・・・
そのような不安を感じられている企業様も多いはずです。

今日は、日本産業衛生学会が公開した、
「職場における新型コロナウイルス感染症対策のための業種・業態別マニュアル」
をご紹介させていただきます。

オフィス業、製造業、接客業(対面サービス)など、6つの業種・業態別のマニュアルが公開されており、
・アスクやフェイスシールドの飛沫防止の効果
・濃厚接触者となった場合の対応
・感染疑い時の出勤自粛等の考え方
・社内での感染対策法
等の情報を得ることができます。
近い業種のマニュアルを選択し、参考になさってください。
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日本産業衛生学会 – 「職場における新型コロナウイルス感染症対策のための業種・業態別マニュアル」の公開 –
https://www.sanei.or.jp/?mode=view&cid=444

ゴールデンウイーク休業のご案内

4月 28th, 2021

西遠労務協会は、4月29日(木)および5月1日(土)~5月5日(水)を休業とさせていただきます。

皆様にはご不便をおかけし申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

年金手帳が廃止されます(R4.4~)

4月 22nd, 2021

現在、国民年金・厚生年金の被保険者となると発行される年金手帳。
この年金手帳が、来年(令和4年)4 月以降は廃止されることが決定しています。

〇なぜ年金手帳が廃止になるの?
これまで年金手帳は、国民年金・厚生年金の被保険者証として利用されてきました。
しかし、現在はマイナンバーが導入され、被保険者の情報はシステム管理されています。つまり、《マイナンバーがわかれば手続きや管理上、問題はない=手帳の形式をとる必要性が低下した》というわけです。

〇年金手帳の廃止後はどうなるの?
令和4年4月以降、新たに被保険者となった方には、年金手帳の代りに「基礎年金番号通知書」が送付されることになります。
従来の年金手帳は、これまで通り基礎年金番号を証明する書類として利用できますが、紛失してしまった場合には再交付はされませんので、注意が必要です。

65歳超雇用推進助成金

4月 14th, 2021

高年齢者雇用安定法の改正により、2021年4月1日より、70歳までの高年齢者の就業確保措置が努力義務となりました。

※法改正の内容については、過去のブログ(http://seienroumu-com.check-xbiz.jp/blog/archives/632)
 をご覧ください。


今回の改正では、70歳までの就業確保措置は「努力義務」とされていますが、まだまだ活躍できる能力を持つ高年齢社員が増えていることや、労働力人口の減少が加速していることもあり、自社の定年制度について改めて検討していきたい、という企業様も多いようです。

自社の定年制度の見直しをおこなわれる場合は、
「65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)」が利用できます。

どのような定年制度を就業規則に定めるのか、現状60歳以上の雇用保険被保険者は何名か、等により受給額は異なりますが、今回の法改正をきっかけに自社の仕組みを見直される場合、助成金の受給対象となる可能性があります。


助成金のリーフレットはこちら↓
https://www.mhlw.go.jp/content/000763756.pdf

詳細につきましては、当事務所担当者までお問合せください。

【再び延長が決定】新型コロナに伴う休業で報酬大幅減 → 標準報酬月額で特例

4月 8th, 2021

何度かこちらのブログで紹介させていただいる、「新型コロナウイルスの影響に伴う休業により、報酬が著しく下がった場合の、健康保険・厚生年金保険の標準報酬月額の特例改定」。

特例改定の対象期間は令和3年3月までとされていましたが、令和3年4月~7月についても対象となることが決定しました。

通常、社会保険の標準報酬月額を改定する「月額変更」では、
〇連続する3ヵ月間の報酬減少
〇固定的賃金(基本給や家族手当など)の変動
が必要となりますが、この特例改定では、
〇1ヵ月の報酬減少
〇固定的賃金の変動なし
である場合でも、報酬が下がった月の翌月から標準報酬月額の改定が可能となります。(被保険者本人の同意が必要です。)


特例改定の詳細につきましては、当事務所担当者までお問合せください。